10月14日に行われたみんな北斎の二次審査会で審査員の方から寄せられたメッセージをご紹介します。
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
作品それぞれから、一人一人の人間が見えてくるような審査会でした。北斎がここにいたら「どれもいいなあ」とみんなを選んでいたんじゃないかな。でも北斎だったら「やっぱり僕が一番!」と言っていたかもしれませんね。私たちはちょっと癖がある、人間臭い作品を選びましたが、「みんな北斎」のタイトル通り、それぞれの作品から北斎に通ずるエッセンスを感じました。それって一人ひとりが「北斎ってこんな人」というイメージを持っているということだし、その多様性が面白いと思っています。
北斎の作品は、彼の人生や人柄も作品の一部として読み込むと理解が深まり、より一層楽しむことができます。このアワードに応募された作品も同様に、人柄や境遇、どういう風に障害に向き合ってきたかという生い立ちが作品に影響を及ぼしていて、作品を分厚くしていると感じました。作家の思い入れ、その時の状況、没頭する姿が見えてくるようでした。それぞれの「北斎」の集大成である展示会を楽しみにしています。
葛飾ふとめ・ぎょろめ(学芸人)